転生聖女は、ユニコーンと逃げ出した
「あ、あの……! あなたのことを、もっと知りたいです……!」
「私、ですか」
「は、はい……っ。い、いつまでも他人行儀は、よくないと思うので……!」

 必死になって声に出した主張を耳にした彼女は、ようやく私が行動を起こした理由を把握する。
 その後、どこかほっとしたようにぽつりと呟く。

「何事かと思いました」
「ご、ごめんなさい……」
「謝罪は不要です。原因は、私にありますので」
「そんなこと……!」

 リルマさんからは逆に自分のせいだと、謝罪をされてしまった。
 彼女は左右に首を振り、語り始める。

「主のご命令とあればどんな非道徳的な行いにも手に染め、自我を殺す。私はずっと、そのように生きてきました」
「リルマさん……」
「私に興味を持ってくださったのは、シエル様が2人目です」
「1番目の人は、ディルクさんですか……?」
「いえ。あれです」
「どれですか……?」

 私の質問を否定した侍女の視線を追いかけた先には、壁に背をつけて腕組をする、カルトンさんの姿がある。
 護衛騎士はこちらに気づき、呆れたように肩を竦めて告げた。
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