転生聖女は、ユニコーンと逃げ出した
「ざまあみろ」

 そうやって口元に笑みを浮かべて、彼女の絶望した表情を楽しんでいたのがよくなかったのだろう。
 志江留はあたしが見ている前で、トラックに轢かれてしまった。

 ──やっとあの子がいなくなった。
 そう大喜び出来たのは、一瞬だ。
 彼女の死を確認した両親は、なぜか嘆き悲しんだ。

「ああ、志江留。どうして……」
「こんなことになるなら、もっと優しくしてやればよかった……!」

 彼らの後悔は、日に日に増していく。

「佐部さん。推薦入学の話だけど……」

 悪い話は、これだけじゃない。
 姉の名を騙ってコンクールで受賞した結果、あたしの名前は独り歩きしてしまった。
 推薦って言うくらいだもの。
 てっきり面接を済ませて入学試験を免除してもらえるとばかり思っていたのに、現実とは非情だ。
 あたしは面接官が見ている前で子どもの落書きとしか思えぬ絵しか描けず、恥をかいた。

 ──なんでよ!? 姉が死んでから、あたしは不幸続き!

 こんなはずじゃなかった。
 あの女さえいなくなれば、幸せになれるはずだった!
 なのに……!
 志江留がいないせいで、何もかもが壊れていく!
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