転生聖女は、ユニコーンと逃げ出した
 これでやっと、あの女と関わらないで済むのね……!
 あたしは内心ほくそ笑みながら、姉がいなくなる日を待ち続けた。
 しかし、何年経ってもあいつは実家を出ていく気配がない。

 ──いつまで我慢してればいいの?
 早く消えてよ。

 その願いが叶えられたのは、2年後だった。
 あの女は高校を卒業してすぐに就職を選び、マンションの一室を借りて住むことにしたらしい。

 ようやく大嫌いな顔を見なくて済むと、清々しい気持ちでいっぱいになったはずなのに──。
 日数が経つに連れて、あたしの苛立ちは募るばかり。

 ──あたしから逃げようとしたって、そうはいかないんだから。

「ねぇ、お父さん。志江留の住んでる場所って、どこ?」
「さぁ……」
「わかんないなら、探偵でもなんでも雇って見つけてよ!」

 両親に頼み込んで彼女の住居を探し当て、アポ無しで押しかけた。

「乃絵留……?」

 その時見せた姉の表情は、何度思い出しても笑える。
 まさかあたしが追いかけてくるなど考えもしなかったようで、あの女は尻尾を巻いて逃げ出した。
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