転生聖女は、ユニコーンと逃げ出した
「私もあの子みたいに、一生不幸せなまま命を落とすの……?」
「そんなことはない。君は素晴らしい絵画の才能を持った画家だ。そう遠くない未来に、たくさんの称賛を受ける」
「名声なんて、なんの価値もない……! たった1人でいいから。無視しないで、私を見て、愛してくれる人がほしかった……。ただ、それだけなのに……」

 妹が口を開けば誰もがその内容を称賛し、麗しい花に群がる虫のように周りを取り囲んで彼女を祭り上げた。
 あの子と同じことをしても、私など見向きもされない。
 それがなぜなのか、ずっと不思議で堪らなかった。

 容姿が劣っているから?
 うまく話を盛り上げられなかったせい?

 それとも――生きている価値がないからなのか。
 何度も思考を繰り返すうちに、最悪な結論しか導き出せなくてうんざりした。

「どうしてたったそれだけのことすら、誰も叶えてくれないの……?」

 前世の私がどれだけ願っても実現できなかったことを、今世でやろうとしているのが間違いなのかもしれない。

「ささやかな幸せすらも実現できない私に、生きている意味なんてない……」
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