転生聖女は、ユニコーンと逃げ出した
「ユニィッ!」
ユニコーンは私の意思を尊重するように、カルトンさんとリルマさんをアトリエの外へと追いやった。
「待てよ。こんな状態の嬢ちゃんを、1人にすんのはまずいだろ」
「ユニッ!」
「せめて、リルマだけでも……」
「ユニーン!」
「だから、聞けよ話を!」
「ニコーン!」
ユニコーンは、どうにかリルマさんだけでもアトリエの中に留めようろ交渉を続けていたカルトンさんと侍女の背中を押し、外へと引っ張っていく。
「シエル様……っ!」
その姿をぼんやりと見つめた私は、こちらを心配して名前を呼んでくれた彼女の声を無視した。
パタンと扉が締まったのを確認してからゆっくりと立ち上がり、覚束ない足取りで真っ白な画布の前に置かれた椅子へ力なく腰を下ろす。
――もう、何もかもを忘れたかった。
つらいこと、苦しいこと。
悲しいことから、開放されたい。
そういう時は、絵の世界に逃げるのが一番だ。
――さぁ、筆を手に取って。
買ったばかりの油絵の具を開封し、液体を取り出そう。
私を苦しめる現実なんて捨てて、絵を描くことに集中すれば、きっとたくさんの素敵な油絵を生み出せると思うから。
「さようなら。ちょっとしたことで、簡単に傷つく私……」
覚悟を決めた私は、一心不乱に筆を動かし始めた。
ユニコーンは私の意思を尊重するように、カルトンさんとリルマさんをアトリエの外へと追いやった。
「待てよ。こんな状態の嬢ちゃんを、1人にすんのはまずいだろ」
「ユニッ!」
「せめて、リルマだけでも……」
「ユニーン!」
「だから、聞けよ話を!」
「ニコーン!」
ユニコーンは、どうにかリルマさんだけでもアトリエの中に留めようろ交渉を続けていたカルトンさんと侍女の背中を押し、外へと引っ張っていく。
「シエル様……っ!」
その姿をぼんやりと見つめた私は、こちらを心配して名前を呼んでくれた彼女の声を無視した。
パタンと扉が締まったのを確認してからゆっくりと立ち上がり、覚束ない足取りで真っ白な画布の前に置かれた椅子へ力なく腰を下ろす。
――もう、何もかもを忘れたかった。
つらいこと、苦しいこと。
悲しいことから、開放されたい。
そういう時は、絵の世界に逃げるのが一番だ。
――さぁ、筆を手に取って。
買ったばかりの油絵の具を開封し、液体を取り出そう。
私を苦しめる現実なんて捨てて、絵を描くことに集中すれば、きっとたくさんの素敵な油絵を生み出せると思うから。
「さようなら。ちょっとしたことで、簡単に傷つく私……」
覚悟を決めた私は、一心不乱に筆を動かし始めた。