「好き」があふれて止まらない!

最初は小説と歌詞。ふたつを書くなんて無理だと思っていた。

だけど、挑戦したら楽しくて。

もっともっと、書きたい欲が出てきたんだ。

自分の書きたいものがまだこんなにもあるなんて思わなかった。

好きがあふれて止まらなくなるなんて気持ちも知らなかった。

MEBIUSのみんなに出会わなかったら、わたしは自分の好きを、情熱を、見失ったままだったかもしれない。

「そう言うと思った。まぁ、断られても諦める気なかったけど」

「え⁉ そうなの」

「俺はもう咲茉しか考えられないから」

不意打ちで呼ばれた名前に胸がドクンと高鳴った。

我妻くんのまっすぐな瞳がわたしを捉えて離さない。

このままだと心臓が破裂しちゃいそうで、わたしは前髪を直すふりをして視線を逸らした。

一瞬、楽屋内に流れた沈黙を破ったのは杉浦くん。

「奏人だけずりぃぞ! 俺も咲茉って呼ぼー」

「じゃあ、俺も咲茉ちゃんって呼ばせてもらおうかな」

「えっと⋯⋯」

杉浦くんと二階堂先輩からもまっすぐな瞳を向けられて、どこも向けなくなっちゃったわたし。

「咲茉も俺たちのこと名前で呼べよ。仲間だろ?」

あたふたするわたしを見ながら我妻くんはいたずらっ子のように笑った。

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