「好き」があふれて止まらない!
「決めなきゃいけないことってなんですか⋯⋯?」
わたしも呼ばれたってことは、新曲の歌詞について話すのかな?
MEBIUSとはこの一か月の間にもう一曲、ラブソングを完成させた。
テスト前には新たに三曲分の歌詞を書いて奏人に提出したけれど、テスト期間をはさんだからまだ話は進んでいない。
「実はMEBIUSの間で一年程前から出ていた話があって⋯⋯新メンバーの加入を考えてるんだ。三週間後には夏休みが始まるし、その前に結論を出したくて」
千里先輩の言葉に、わたしは持っていたペンを床へと落とした。
メ、MEBIUSに新メンバーが加入⁉ そんな話は一度も聞いたことがない。
「だ、誰が加入するんですか⋯⋯?」
千里先輩にした質問の答えは奏人から返ってきた。
「それはまだ決まってない。だけど、もっと幅広い曲をやるためにずっとキーボードを探してるんだ」
キーボード⋯⋯。
そういえばバンドグループではよく見かける。
MEBIUSは奏人がギター、新がドラム、千里先輩がベースを担当。