御影の王
「……!」

思わず息を呑むほどの可憐な少女の素顔だった。

あれほどの激しい動きをしていたにもかかわらず、汗一つかいていない。

面の中からサラリとツインテールの美しい黒髪が零れ落ちた。

白い肌も、宝石のような瞳も、その少女の生命力の強さを表すように輝いて見える。

その姿に、正直見惚れた。

あれほどの少女が、更に剣道に天賦の才まで見せるとは。

天に二物も三物も与えられている者もいるのだなと、少々公平を欠いているような気がした。

それだけに。

「そこのお前」

俺の悪い癖が首をもたげた。

眩いばかりの才能には、つい己の腕を試したくなってしまうのだ。

「…!」

驚いたように俺を見る少女。

その表情を見ただけでも、俺はしてやったりな気分だった。

「手合わせをしたい。名を聞かせてもらおうか」



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