白衣の下に潜む静かな溺愛 ―命を救う手と音を奏でる指先のあいだで―
「うーん。どうでしょうね。それを調べる為にもMRI撮るんでしょうね。」

看護師さんも、技師さんも、はっきり頭が悪いとは言わない。

「はい、じゃあ。結果は担当の医師。ああ、渡部先生か。先生から聞いて下さいね。」

そう言って技師さんは、私を抱き起し車椅子に乗せてくれた。

「じゃあ、行きましょうか。」

連れて来てくれた看護師さんが、またエレベーターに乗せてくれる。

もし、結果。脳が悪いとなったら。私の人生は、どうなるんだろうか。

「渡部先生って、腕はいいんですか?」

「ええ。オペの成功率は断トツですよ。」

看護師さんは、笑顔で話す。

「あの先生、人生の成功者ね。」

「どうしてですか?」

私はクスっと笑った。

「顔はいいし、頭はいいし、仕事はできるし。きっとモテるんでしょうね。」

看護師さんは、大笑いしていた。

「まあ、患者さんからは人気ですね。」
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