白衣の下に潜む静かな溺愛 ―命を救う手と音を奏でる指先のあいだで―
きっと声を掛けまくられそう。プレゼントとかも受け取ってそう。

「まあ、当の本人は知らぬ存ぜぬですけどね。」

「へえ。そうなんですね。」

やがてエレベーターが止まり、病室へと行く廊下。

途中で人だかりができていた。しかも女性ばかり。

その中心には、あの渡部先生がいた。

「ねえ、先生。病室に遊びに来て。」

「いいな。私のところにも来て。」

すると彼は真面目な顔して、その患者さん達に返事をしていた。

「後で回診に行きますから。待っていて下さい。」

そして患者さんからは、明るい笑い声が聞こえる。

患者さんにモテるって、本当だったんだ。

その時、渡部先生と目が合った。

「天音さん。」

私の姿を見て、周囲の患者さんを押しのけて私のところに来てくれる。

「MRI、無事に撮れました?」

「……はい。」

「よかった。結果、直ぐに出ると思うので、後でカウンセリング室に来て下さい。」

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