白衣の下に潜む静かな溺愛 ―命を救う手と音を奏でる指先のあいだで―
「先生。鎮静剤、投与しますか?」

すると悠真先生は告げた。

「必要なら俺がするから、そこに置いてて下さい。」

看護師さんは鎮静剤を注射器に詰めると、サイドテーブルの上に置いた。

「あとは大丈夫です。」

「はい。」

そして看護師さんが、病室からいなくなる。

「美玖、何があった?」

「何もないわよ!一人にしてって、言ったでしょ!」

私は悠真先生の体を振りほどこうとした。

「放れないよ。」

その言葉に私は体が固まる。

「死ぬなんて、俺の前で言うな。」

悠真先生の体が震えている。

「俺と一緒に生きるって、約束したじゃないか。」

私は悠真先生の体を、引き離した。

「……もう必要ないの。」

「どうして?」
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