白衣の下に潜む静かな溺愛 ―命を救う手と音を奏でる指先のあいだで―
「ねえ。退院したらどこか遊びに行くって約束、覚えてる?」

「覚えてるよ。」

なんだか私服で美玖に会うと、照れ臭い。

医師としてではなく、本当の自分を見られているような気がした。

しかも白のパーカーに、濃紺のジーンズ。

無防備にも程がある。

「そう。覚えててくれたのね。」

その約束の確認作業みたいなもの。

女って、みんなするよな。

「悠真先生、いつもこのくらいの時間に帰るの?」

「うん、まあ。」

「また会いに来てもいい?」

俺は美玖の頭を撫でて、そっと抱き寄せた。

「いいけど、体調がいい時だけにしてね。」

「うん。」

彼女の匂いがする。

安らぐ香りだ。


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