白衣の下に潜む静かな溺愛 ―命を救う手と音を奏でる指先のあいだで―
俺は美玖を見た。

果たしてそうだったのだろうか。

美玖の中に、少しでもそんな考えがあったのなら、それを取り払うべきだったのではないか。

「……そこまで理解していたかについては、肯定できません。」

黒川先生が体を動かす。

立ち上がろうとする美玖を、お母さんが止めた。

「あなたは自分の欲望の為に、天音さんを利用しただけではないですか?」

「欲望……ですか。」

「あなたには交際相手がいませんね。生理的欲求が溜まり、たまたま目の前にいた患者を使って、発散したかっただけなのでは?」

俺は悔しかった。

どうすれば、俺達の愛し合った事を認めて貰えるのか。

「そんな事はありません。俺は……」

気づけば立ち上がっていた。

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