白衣の下に潜む静かな溺愛 ―命を救う手と音を奏でる指先のあいだで―
副院長は、冷静に書類をめくる。

「オペの記録を見ると、途中で渡部先生は手を止めていますね。予想外の出血で。」

「はい。間違いありません。」

俺が黒川先生に代わって返事をした。

「その時、鷲尾先生が執刀医を代わると事を提案した。鷲尾先生でも、彼女のオペを続行できたのでは?」

あくまでも、そこをついてくるのだ。

「いや、それでも執刀医は渡部先生で、間違いではなかった。」

黒川先生は、はっきりと告げてくれた。

「あの状況を乗り越えた。さすが渡部先生ですよ。彼しかいない。」

俺は黒川先生の言葉に、感動していた。

いつも俺を支えて励ましてくれる先生。

こんなところでも、先生は俺の師だ。

「でも天音さんは、繊細な指の動きを失っている。これは余計な感情移入によるオペの失敗では?」
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