白衣の下に潜む静かな溺愛 ―命を救う手と音を奏でる指先のあいだで―
「美玖ちゃんは、どれくらい待ったの?」

「美玖ちゃん?」

私は坂井先生を見つめた。

「ははは。名前で呼んだ方が親近感わくでしょう。」

私は思わず目を反らした。

今日初めて会った人に、美玖ちゃん呼ばわり。

いや、合コンだとそんなノリだって、友達が言ってた。

合コンのノリ?ここはリハビリ施設なのでは?

「ねえ、美玖ちゃんも半年待ったの?」

「……私は救急で運ばれて、そのまま担当医に。」

「ホント?どこまでラッキーなの?」

そんなに悠真先生に担当してもらうのが、特別なことなんだ。

「救急でって、急に倒れたの?」

「はい、コンサートでピアノ弾いてた時に、急に頭が痛くなって……」

「だからか。」

坂井先生は、手をパンと叩いた。

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