白衣の下に潜む静かな溺愛 ―命を救う手と音を奏でる指先のあいだで―
「……もう少し、一緒にいたいな。」

そう言うと悠真先生は、私の右手をぎゅっと握った。

「俺の家でいい?」

「うん。」

そして車は右に曲がり、悠真先生の住むタワーマンションへと向かう。

途中には、私が入院していた病院が見えてきた。

「ここで出会ったのよね。」

「そうだね。」

思えばあの倒れた時、受け入れてくれた病院がここじゃなければ、悠真先生と出会えなかった。

「悠真先生は、私が運ばれてきた時の事、覚えている。」

「うーん、正直、覚えてない。あの頃は、たくさんいる患者で、精一杯だったから。」

忙しい毎日。人との出会いは、まるでベルトコンベヤーのように流れていく。

その中でふと、心が揺さぶられる出会いがある。

私達がそうであったように。
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