君を守る契約
冬の朝は明るくなるのが遅い。私が起きた時もまだ部屋は薄暗く、リビングのカーテンの隙間からうっすらと朝の光が差し込んでいた。
時計は5時半。いつもより少し早く目が覚めた。彼のお弁当を作らなければという緊張感から自然と目が覚めてしまった。昨日のうちにセットしておいた炊飯器はすでに保温に切り替わっており、開けると米が立っていた。それをお弁当箱にまずは詰める。
冷蔵庫を開け、卵にピーマン、ベーコン、それに冷凍しておいた鶏そぼろを取り出した。
彼は甘い卵焼きとだし巻き卵、どちらが好きなんだろう。これはかなり好みが分かれるところだ。でも、いつも通りと思い私は甘い卵焼きを焼き始める。ピーマンとベーコン、それに余っていたエリンギを見つけ炒め始めた。
ご飯の上に鶏そぼろをかけ、炒め物に甘い卵焼き、それに昨日の残りのレンコンのきんぴらを詰め込んだ。ありあわせだけど、彩りは悪くないはず。
幸也が出ていってからは自分のお弁当だけだった。誰かのために作るお弁当は久しぶりで、どこかいつもとは違った。まさか本当に宗介さんのお弁当を作るなんて思いもよらず、お弁当箱を準備していなかったので今日は幸也が使っていたものにした。帰りに買ってこなきゃ、なんてほんの少し楽しみになった。
「喜んでくれるかな 」
思わず自分の口からそんな言葉が漏れ、慌てて手で口を覆った。誰に聞かせるわけでもなかったのに、その声がこの静かな部屋に響いていた。
完成したお弁当を包み、バッグに入れていると彼が寝室から出てきた。
「おはようございます。起きるの早いですね」
「おはよう。琴音が起きた気配で目が覚めた。でもトントンって音が心地よくて布団の中でまどろんでいたよ」
彼は頭をかきながら笑っていたが、視線がカウンターに置かれたお弁当バッグに注がれていた。
「お弁当、もうできたの?」
「はい。でも、本当に普通の地味なものですよ」
「それが1番だ。なんだか仕事に行くのが楽しみになったよ。さて、顔を洗ってくる」
彼はそういうと洗面所に行ってしまった。私は彼のその言葉に顔が少し熱くなってしまった。
時計は5時半。いつもより少し早く目が覚めた。彼のお弁当を作らなければという緊張感から自然と目が覚めてしまった。昨日のうちにセットしておいた炊飯器はすでに保温に切り替わっており、開けると米が立っていた。それをお弁当箱にまずは詰める。
冷蔵庫を開け、卵にピーマン、ベーコン、それに冷凍しておいた鶏そぼろを取り出した。
彼は甘い卵焼きとだし巻き卵、どちらが好きなんだろう。これはかなり好みが分かれるところだ。でも、いつも通りと思い私は甘い卵焼きを焼き始める。ピーマンとベーコン、それに余っていたエリンギを見つけ炒め始めた。
ご飯の上に鶏そぼろをかけ、炒め物に甘い卵焼き、それに昨日の残りのレンコンのきんぴらを詰め込んだ。ありあわせだけど、彩りは悪くないはず。
幸也が出ていってからは自分のお弁当だけだった。誰かのために作るお弁当は久しぶりで、どこかいつもとは違った。まさか本当に宗介さんのお弁当を作るなんて思いもよらず、お弁当箱を準備していなかったので今日は幸也が使っていたものにした。帰りに買ってこなきゃ、なんてほんの少し楽しみになった。
「喜んでくれるかな 」
思わず自分の口からそんな言葉が漏れ、慌てて手で口を覆った。誰に聞かせるわけでもなかったのに、その声がこの静かな部屋に響いていた。
完成したお弁当を包み、バッグに入れていると彼が寝室から出てきた。
「おはようございます。起きるの早いですね」
「おはよう。琴音が起きた気配で目が覚めた。でもトントンって音が心地よくて布団の中でまどろんでいたよ」
彼は頭をかきながら笑っていたが、視線がカウンターに置かれたお弁当バッグに注がれていた。
「お弁当、もうできたの?」
「はい。でも、本当に普通の地味なものですよ」
「それが1番だ。なんだか仕事に行くのが楽しみになったよ。さて、顔を洗ってくる」
彼はそういうと洗面所に行ってしまった。私は彼のその言葉に顔が少し熱くなってしまった。