用済みだと捨てたのはあなたです、どうかおかまいなく~隣国で王子たちに愛されて私は幸せです~
行く前には気がかりだったテオも、一月もの間エレインがいなかったにもかかわらず、以前のようにうなされたり不安定になったりすることはなかったという。
寝る前の服薬もなくなり、治療はもう完全に必要なくなった。
そう、ついに契約が終わるそのときがきた。
王宮にとどまる理由がなくなったエレインは、今日を区切りにここを出ていくことをアランに伝えようと決めていた。
「――まだまだ可愛いテオと一緒にいたいが、そろそろお開きにしようか」
まだ就寝の時間ではないが、国王陛下がそう切り出し、それぞれが席を立つ。
当然まだ遊びたいとぐずると思ったテオも、にこにことみんなとおやすみの挨拶をしていた。
エレインも皆に習って、挨拶のタイミングを見計らっていると、「エレインは少し残って」とアランに引き留められる。
アランには、テオの誕生日の後に少し時間が欲しいと伝えていたので、部屋に戻る前に時間を作ってくれるつもりなのかもしれないと思っていたら、
「お待たせ。ちょっと外に行こうか」
と、テオを抱き上げたままエレインの元に戻ってきた。
「あの……?」
「きみに見せたいものがあるんだ」
よく似たブルーの瞳が二人分、エレインに向かって微笑みかけた。