用済みだと捨てたのはあなたです、どうかおかまいなく~隣国で王子たちに愛されて私は幸せです~
「きっと、あなたさまのお身体が欲しているのでしょう」
「これがフォントネル産ハーブの力ですか」
「話しを戻しますが、不眠に効くハーブブレンドをお渡ししたところで、三歳の子が飲めるとは思えません。ですので、今回はこちらをお渡しいたします」
エレインは立ち上がると、壁一面の棚の中から手のひらサイズの瓶を取った。濃紺のそれは、外からではなにが入っているのかはわからない。
「これは、コーディアルシロップです。本来なら、本人の症状に合わせたものをお作りするのが一番なのですが、今は十分な材料がないので、まずはこちらで試してみていただけますか? 寝る前にこのキャップ一杯を飲ませてください。甘いのでそのまま飲んでくれるとは思いますが、もしダメでしたら果実のジュースやゼリーなどにかけて服用させても問題ありません」
エレインは聞いた症状に合うブレンドを紙に書いて男性の前に差し出す。
「このシロップがなくなったら、うちのハーブでなくても問題ありませんので、このブレンドでコーディアルを作ってもらってください。それと……」
と、そのほかに調合室の棚の引き出しを開け、在庫のある入浴剤やオイル、ポプリなどを取り出しテーブルの上に置いた。それぞれの使い方を説明しながら紙に書いていく。
「今出せるものは、これだけですが、どうぞお受け取りください」
「い、いいのですか? こんなに……」
「えぇ。――ただ、今あなたさまが身に着けていらっしゃるものの中で、一番高価なものと交換してくださるのなら、ですが」
表情を変えず、エレインは男性を見据えて静かに言った。
本来なら、貧しい人を相手にしているため、対価も雀の涙ほどしかもらわない。
貴族が身に着けているものなど、どれをとっても高価で、しかもその中で一番となると、平民の一年、いや数年の生活費にも匹敵するかもしれない。
(それでも、きっとこの方は躊躇いなく差し出すでしょうね)
わかっていて、エレインは言い放った。
「これがフォントネル産ハーブの力ですか」
「話しを戻しますが、不眠に効くハーブブレンドをお渡ししたところで、三歳の子が飲めるとは思えません。ですので、今回はこちらをお渡しいたします」
エレインは立ち上がると、壁一面の棚の中から手のひらサイズの瓶を取った。濃紺のそれは、外からではなにが入っているのかはわからない。
「これは、コーディアルシロップです。本来なら、本人の症状に合わせたものをお作りするのが一番なのですが、今は十分な材料がないので、まずはこちらで試してみていただけますか? 寝る前にこのキャップ一杯を飲ませてください。甘いのでそのまま飲んでくれるとは思いますが、もしダメでしたら果実のジュースやゼリーなどにかけて服用させても問題ありません」
エレインは聞いた症状に合うブレンドを紙に書いて男性の前に差し出す。
「このシロップがなくなったら、うちのハーブでなくても問題ありませんので、このブレンドでコーディアルを作ってもらってください。それと……」
と、そのほかに調合室の棚の引き出しを開け、在庫のある入浴剤やオイル、ポプリなどを取り出しテーブルの上に置いた。それぞれの使い方を説明しながら紙に書いていく。
「今出せるものは、これだけですが、どうぞお受け取りください」
「い、いいのですか? こんなに……」
「えぇ。――ただ、今あなたさまが身に着けていらっしゃるものの中で、一番高価なものと交換してくださるのなら、ですが」
表情を変えず、エレインは男性を見据えて静かに言った。
本来なら、貧しい人を相手にしているため、対価も雀の涙ほどしかもらわない。
貴族が身に着けているものなど、どれをとっても高価で、しかもその中で一番となると、平民の一年、いや数年の生活費にも匹敵するかもしれない。
(それでも、きっとこの方は躊躇いなく差し出すでしょうね)
わかっていて、エレインは言い放った。