用済みだと捨てたのはあなたです、どうかおかまいなく~隣国で王子たちに愛されて私は幸せです~
(あぁ、もうどうでもいいわ)
一年と少し、ここまで一人でがむしゃらに突っ走ってきたエレインは、二人の裏切りにすべてがどうでもよくなった。
そうなれば、さっきまで感じていた恐怖も鳴りを潜めていき、エレインの体は自然に動く。
開かれた道を確かな足取りで歩き、二人の前へ進み出たエレインは、カーテシーをとった。
「婚約者の誕生日パーティーに遅れて来るとは、一体どういう了見か」
頭上から冷たい声が振りかかる。
「申し訳ございません。すべてわたくしの不徳の致すところにございます」
招待状のミスだと言ったところで、証拠の招待状はきっとすでに破棄されているだろう。
エレインは頭を下げたまま、その時を待った。
「父上母上、私はもう我慢なりません! この女は、いつも私を見下し、草の世話を優先して私を蔑ろにするばかりか、こうして祝いの場まで台無しにするのです! 私は、エレイン・フォントネルとの婚約を破棄し、ここにいるシェリー・フォントネルと婚約することを宣言します!」
声高らかにそう言い放ち、場がどよめく。
ダミアンは言ってやったぞとどや顔でシェリーに微笑み、隣のシェリーもまたダミアンの腕に絡みついて満面の笑みを浮かべていた。
「私は優しいからな、特別に罪には問わないでやろう」
(よかった……)
最悪の事態は免れたとエレインは心底ほっとする。この馬鹿な王太子のことだ、修道院送りにするくらいのことは言い兼ねない。
ダミアンはおそらく、エレインと婚約破棄してシェリーと婚約したい一心なのだろう。
それさえクリアされれば、エレインのことなどどうでもいいのだ。
「殿下のご厚情に感謝いたします」
「なんとお優しいのでしょうか、殿下!」
外野から大仰に現れたのは父だ。
揉み手をしながら殿下の足元に跪き、首を垂れる。
一年と少し、ここまで一人でがむしゃらに突っ走ってきたエレインは、二人の裏切りにすべてがどうでもよくなった。
そうなれば、さっきまで感じていた恐怖も鳴りを潜めていき、エレインの体は自然に動く。
開かれた道を確かな足取りで歩き、二人の前へ進み出たエレインは、カーテシーをとった。
「婚約者の誕生日パーティーに遅れて来るとは、一体どういう了見か」
頭上から冷たい声が振りかかる。
「申し訳ございません。すべてわたくしの不徳の致すところにございます」
招待状のミスだと言ったところで、証拠の招待状はきっとすでに破棄されているだろう。
エレインは頭を下げたまま、その時を待った。
「父上母上、私はもう我慢なりません! この女は、いつも私を見下し、草の世話を優先して私を蔑ろにするばかりか、こうして祝いの場まで台無しにするのです! 私は、エレイン・フォントネルとの婚約を破棄し、ここにいるシェリー・フォントネルと婚約することを宣言します!」
声高らかにそう言い放ち、場がどよめく。
ダミアンは言ってやったぞとどや顔でシェリーに微笑み、隣のシェリーもまたダミアンの腕に絡みついて満面の笑みを浮かべていた。
「私は優しいからな、特別に罪には問わないでやろう」
(よかった……)
最悪の事態は免れたとエレインは心底ほっとする。この馬鹿な王太子のことだ、修道院送りにするくらいのことは言い兼ねない。
ダミアンはおそらく、エレインと婚約破棄してシェリーと婚約したい一心なのだろう。
それさえクリアされれば、エレインのことなどどうでもいいのだ。
「殿下のご厚情に感謝いたします」
「なんとお優しいのでしょうか、殿下!」
外野から大仰に現れたのは父だ。
揉み手をしながら殿下の足元に跪き、首を垂れる。