用済みだと捨てたのはあなたです、どうかおかまいなく~隣国で王子たちに愛されて私は幸せです~
*
エレインとニコルを乗せた馬車はほどなくしてハーブ園に到着した。
御者が差し出す手を借りて馬車を降りると、ハーブ園の方から農夫が一人かけてきた。ハーブ園の管理を任せている農夫のトマスだ。
「おはようございます、お嬢さま」
「おはよう、トマス。朝からご苦労さまです。ハーブは変わりないですか?」
「はい、ハーブはどれも元気に育ってくれてます」
「なによりです。私は少し畑を見回りますね」
もう仕事に戻っていいという意味を込めたのだが、トマスはエレインの後ろをついてきた。
構わずエレインはニコルと畑へと向かう。
六月の今、太陽は容赦なく照りつけ、刺すように暑かった。日よけ用につばの広い帽子を被っていても、地面から跳ね返る日差しが熱気となって襲ってくる。
エレインは滲む汗をハンカチで拭いながら、畑の周りを歩いて進む。
一ヘクタールほどに区分けされた畑が規則正しく並び、一区画につき一種類のハーブがびっしりと植えられている。背丈も揃い、遠目で見ても発育がよいのが一目でわかる出来栄えだった。
「問題なさそうね」
しばらく見て回り、エレインがそうつぶやくとトマスは相好を崩した。
「ですよねぇ! 問題どころか、文句なしの発育ですよ、お嬢さま! 本当に、どうしてこんな痩せた荒地でハーブがこんなにも元気に育つのか……俺にはさっぱりわかりませんがな」
トマスが驚くのも無理はなかった。
ここは使われなくなって久しい農園だったのをフォントネル家が買い取った土地で、この土地の持ち主ですら「こんなとこじゃ芋だって育ちませんよ」と止めたほどだ。
父は安くていいなと喜んで買ったが、本当ならこの地でハーブは育たない。
さらに、この国の気候もまたハーブの発育に適していなかった。
エレインとニコルを乗せた馬車はほどなくしてハーブ園に到着した。
御者が差し出す手を借りて馬車を降りると、ハーブ園の方から農夫が一人かけてきた。ハーブ園の管理を任せている農夫のトマスだ。
「おはようございます、お嬢さま」
「おはよう、トマス。朝からご苦労さまです。ハーブは変わりないですか?」
「はい、ハーブはどれも元気に育ってくれてます」
「なによりです。私は少し畑を見回りますね」
もう仕事に戻っていいという意味を込めたのだが、トマスはエレインの後ろをついてきた。
構わずエレインはニコルと畑へと向かう。
六月の今、太陽は容赦なく照りつけ、刺すように暑かった。日よけ用につばの広い帽子を被っていても、地面から跳ね返る日差しが熱気となって襲ってくる。
エレインは滲む汗をハンカチで拭いながら、畑の周りを歩いて進む。
一ヘクタールほどに区分けされた畑が規則正しく並び、一区画につき一種類のハーブがびっしりと植えられている。背丈も揃い、遠目で見ても発育がよいのが一目でわかる出来栄えだった。
「問題なさそうね」
しばらく見て回り、エレインがそうつぶやくとトマスは相好を崩した。
「ですよねぇ! 問題どころか、文句なしの発育ですよ、お嬢さま! 本当に、どうしてこんな痩せた荒地でハーブがこんなにも元気に育つのか……俺にはさっぱりわかりませんがな」
トマスが驚くのも無理はなかった。
ここは使われなくなって久しい農園だったのをフォントネル家が買い取った土地で、この土地の持ち主ですら「こんなとこじゃ芋だって育ちませんよ」と止めたほどだ。
父は安くていいなと喜んで買ったが、本当ならこの地でハーブは育たない。
さらに、この国の気候もまたハーブの発育に適していなかった。