用済みだと捨てたのはあなたです、どうかおかまいなく~隣国で王子たちに愛されて私は幸せです~
教会を後にした三人は、馬車が待つ大通りまで歩いていく。
エレインと神父が話している間、テオはアランの膝の上でとてもおとなしく座っていた。
アランとの約束をしっかりと守ろうと頑張っているようで微笑ましい。
「テオドールさま、殿下との約束を守れて偉いですね。 エレインもとても助かりました」
「あう!」
「殿下も、お付き合いくださりありがとうございました。おかげで私がやるべきことを再確認できました」
「それはよかったけど……、エレインがますます働き過ぎてしまいそうで心配だな」
テオを抱っこしたアランが前かがみになり覗き込んでくる。
二人して首をかしげて心配そうな顔でこちらを見つめるその仕草の愛らしさに、エレインは心臓が止まるかと思った。
(顔がいい人はどんな表情でも様になってずるいわ)
「えっと……それは、気を付けますので……」
「俺も気を付けるけれど、くれぐれも無理のないよう頼むよ?」
「はい」
大通りに出ると、来たときよりも人が増えて賑わいが増していた。
露店も開き、客寄せの声が飛び交い活気に溢れている。甘い菓子や香ばしい食べ物の匂いも漂ってくる。
「わぁ、とても賑やかですね!」
「今日は月に一度の市の日だったようだね。少し歩いて見てみようか」
「えっ、良いのですか?」