用済みだと捨てたのはあなたです、どうかおかまいなく~隣国で王子たちに愛されて私は幸せです~
それは、化粧水の製造だ。
以前、ヘルナミス国に居たときに作って一部の貴族に販売してとても好評だったハーバルウォーターだ。
エッセンシャルオイルを精製するときに副産物として出る蒸留水で、微量だがハーブの成分も含まれている。ローズやネロリなど、美容効果の高いハーブウォーターをブレンドしたものを二種類ほど作り、貴族相手に売り込んだ。
同時に生成されるエッセンシャルオイルは、薬に使用しているので一石二鳥と言える。
いくら王室が慈善事業としてエレインへの協力を惜しまないからと言って、このままずっと資金提供を受け続けるわけにはいかない。
しかし、より多くの薬を安価で提供するとなると、どうしても多額の資金が必要になる。
(安定して量産するためにも、資金源が必要だわ)
そう頭を悩ませていたところ、先日の市場で「若返りの水」に多くの人が群がっていた光景を見て、この化粧水のことを思い出したのだ。
「エレイン、この化粧水は本当に素晴らしいわ。貴族のご婦人からも続々と注文が入っているのよ」
「ありがたきお言葉、感謝申し上げます。これもひとえに王妃殿下のお力添えのおかげでございます」
売り込んでくれたのは、王妃殿下のロズリーヌだ。
テオの昼寝の時間に呼び出されたエレインは、ティータイムの同席を促されてそのまま向かいの椅子に着席する。
五十代の彼女は、ミルクティベージュの髪をハーフアップにし、とても三人の王子を産んだとは思えない、メリハリのあるボディが目を惹く魅力的な女性だった。
化粧水をどう売っていこうかと悩んでいたところ、テオの治療でエレインのハーブの素晴らしさをすでに知っていた彼女が、化粧水の宣伝を買って出てくれた。
その効果は抜群で、エレインの化粧水は一瞬で売り切れてしまった。
「上品な香りは強すぎず、飽きないし。なにより飲むこともできるのが素晴らしいわよね。塗ってよし飲んでよしで外からも中からも綺麗になれるんだもの」
朗らかに微笑む王妃殿下の切れ長の瞳はアランとよく似ていた。
「皮膚から吸収される成分の量には限界がございますので」
「量産は難しいのかしら?」
ティーカップを優雅な所作でソーサーに戻して、ロズリーヌはエレインを見る。
今日お茶に呼ばれた理由はそれか、とエレインは姿勢を正した。
以前、ヘルナミス国に居たときに作って一部の貴族に販売してとても好評だったハーバルウォーターだ。
エッセンシャルオイルを精製するときに副産物として出る蒸留水で、微量だがハーブの成分も含まれている。ローズやネロリなど、美容効果の高いハーブウォーターをブレンドしたものを二種類ほど作り、貴族相手に売り込んだ。
同時に生成されるエッセンシャルオイルは、薬に使用しているので一石二鳥と言える。
いくら王室が慈善事業としてエレインへの協力を惜しまないからと言って、このままずっと資金提供を受け続けるわけにはいかない。
しかし、より多くの薬を安価で提供するとなると、どうしても多額の資金が必要になる。
(安定して量産するためにも、資金源が必要だわ)
そう頭を悩ませていたところ、先日の市場で「若返りの水」に多くの人が群がっていた光景を見て、この化粧水のことを思い出したのだ。
「エレイン、この化粧水は本当に素晴らしいわ。貴族のご婦人からも続々と注文が入っているのよ」
「ありがたきお言葉、感謝申し上げます。これもひとえに王妃殿下のお力添えのおかげでございます」
売り込んでくれたのは、王妃殿下のロズリーヌだ。
テオの昼寝の時間に呼び出されたエレインは、ティータイムの同席を促されてそのまま向かいの椅子に着席する。
五十代の彼女は、ミルクティベージュの髪をハーフアップにし、とても三人の王子を産んだとは思えない、メリハリのあるボディが目を惹く魅力的な女性だった。
化粧水をどう売っていこうかと悩んでいたところ、テオの治療でエレインのハーブの素晴らしさをすでに知っていた彼女が、化粧水の宣伝を買って出てくれた。
その効果は抜群で、エレインの化粧水は一瞬で売り切れてしまった。
「上品な香りは強すぎず、飽きないし。なにより飲むこともできるのが素晴らしいわよね。塗ってよし飲んでよしで外からも中からも綺麗になれるんだもの」
朗らかに微笑む王妃殿下の切れ長の瞳はアランとよく似ていた。
「皮膚から吸収される成分の量には限界がございますので」
「量産は難しいのかしら?」
ティーカップを優雅な所作でソーサーに戻して、ロズリーヌはエレインを見る。
今日お茶に呼ばれた理由はそれか、とエレインは姿勢を正した。