ループするメイドは破滅ルートを回避したい!はずが、なぜか宰相様の溺愛ルートに入ってしまいました!?
 そんなルートがあるなんて知らなかった。
 けれど、アリアはふと頭に疑問がよぎる。

「じゃあ管理台帳の記録には残っちゃうってこと?」

「あぁ。管理台帳記録の改ざんまでは難しいから、クラヴィス嬢宛てに王宮に届いた事実は消せない。でも『誤配だった』って扱いにすれば台帳に追記される」

 なおも不安そうなアリアに、ユーリは軽く笑いながら続ける。

「そもそも誤配ルートなら、届いた書状は中身を開封されることもなく破棄されるから、たとえ台帳に残ってても問題ない。誰もそんなの確かめないからな」

「うわ、助かる……っ」

 アリアはその場でへたりこみそうになるほど胸をなでおろした。

「本当にありがとう、ユーリ!!」

「いいって。困ってるときはお互い様、だろ?」

 いつもの調子で肩をすくめる彼の笑顔に、アリアもようやくほっとした表情を見せる。
 そのとき、ユーリがアリアの髪に目をとめた。

「……それ、髪飾り?」

「えっ、あっ……う、うん……」

 咄嗟に手で隠そうとするアリアに、ユーリは「ふぅん」と一言だけ洩らしてから、にこりと笑った。

「似合ってるじゃん。シンプルだけど、そういうのがアリアらしいっていうか」

「……っ、ありがとう……」

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