ループするメイドは破滅ルートを回避したい!はずが、なぜか宰相様の溺愛ルートに入ってしまいました!?
 このお茶会の最中に『例のアレ』が届けられるはずなのだ。
 それをこのタイミングで阻止できれば――

(ループ二回目で起きた事件、今回も未然に潰さないと!)

 アリアが足取りを速めつつ王宮内の回廊を駆ける。

 そしてエレナの自室に戻り、ほっと息を整えたその瞬間。
 コンコン、とちょうどドアをノックする音がした。

「エレナ様宛の贈り物をお届けにまいりました」

 部屋の外から聞こえた声にアリアの背筋がぴんと伸びた。
 扉を開けると差し出されたのは、丁寧に包装され上品なリボンがかけられた小箱。

(来た、これ……!)

 王宮入りしたエレナ嬢へのお祝いという名目で贈られてきたブローチ。
 
 でもこれは毒針入りのブローチだ。
 そして、二回目のループでエレナを死へ導いたものでもある。

 殿下との南方地域への視察にこのブローチを付けた際に、エレナはうっかり指を切ってしまう。
 この毒の影響で高熱を出した彼女は、予定を変更してミカエル殿下より早く王都へ帰ることになった。その帰路で事故に巻き込まれて、彼女は命を落としてしまうのだ。

(遺品に残っていたブローチに毒針が仕込まれていたと分かったけど、すべてが手遅れだった…)

 偶然が重なった不幸な事故に思えたそれも、誰かによって初めから仕組まれていたことだったのだ。


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