ループするメイドは破滅ルートを回避したい!はずが、なぜか宰相様の溺愛ルートに入ってしまいました!?
 それを回避したかったはずなのに、自分が判断を間違ったせいで結局エレナに疑いがかけられてしまった。
 あの手紙だって、本当はセドリックかライナスに見せるべきだったのに。それなのに、自分はユーリの言うことを信じてしまった。

「何やってるんだろう、私……」

 ぽつりとこぼれた言葉と一緒に、頬を伝っていく涙。
 枕に落ちたしずくがいくつもの小さな跡をつくる。

「しっかりしなさいよ、アリア!」

 その言葉とともに、ばふん、とクッションが飛んできた。

 突然の後頭部への衝撃に涙も引っ込む。
 振り返ると、さっきまで隣りで寄り添っていたロレッタが腕を組み、仁王立ちでこちらを睨んでいた。

「いつまでうじうじしてるつもりなの?いい加減、見てるこっちがムズムズしてくるんだけど」

「……ロレッタ、ひどい……いま私、人生最大級に落ち込んでるのに……」

「だからってそんな顔でベッドに伏せて何になるの?宰相様が牢に入れられてエレナ様が捕まりそうってときに何もできないって、それでいいわけ?」

(これでいいなんて思っていない…けど、もう私にできることなんて、)

 アリアは口を噤んで俯くと、ロレッタは小さくため息をついた。

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