ループするメイドは破滅ルートを回避したい!はずが、なぜか宰相様の溺愛ルートに入ってしまいました!?
サロンで奏でられる弦楽の音は、遠くから心地よく耳に届いている。
夜風の涼しいバルコニーからは銀色に輝く三日月が見えた。
(どこへ行くの…?)
青年がバルコニーへと出たとき、アリアも迷いなく後を追ったが彼の姿が見当たらない。
「……あれ、いない……?」
わずかに風が通り抜けた瞬間。
「……やっぱりな。見てたんだろ?最初から」
背後から低い声がかけられて心臓が跳ね上がる。
慌てて振り向いたアリアの前に、あの青年がいた。
そこには社交の場で見せていた柔らかな笑みはなく、ひどく冷めた目でアリアを見下ろしていた。
「俺のこと会場でずっと目をつけたもんな?盗みに来たのがバレたんだと思ったよ」
「……え?」
アリアの足が止まった。
予想外の言葉に、意味が理解できなかった。
「え?ぬ、ぬす……?」
「王宮の宝物だけじゃない。貴族から寄贈された展示品も今日の目玉だろ?どれも目が飛び出るくらいの宝飾品ばかりだ。俺はそれを失敬するつもりだったのさ」
そう言って、青年は上着の内側からそっと取り出した。
それはまさに展示されていたはずの深紅の宝石。
(え、え、え……?)
アリアは目を瞬いた。
(ちょっと待って、この人はただの泥棒……!?)
エレナを見ていたのではなく、そのそばにある展示品を盗むタイミングを見極めようとしていただけ。
その事実に、アリアの頭の中はぐるぐると混乱していた。
夜風の涼しいバルコニーからは銀色に輝く三日月が見えた。
(どこへ行くの…?)
青年がバルコニーへと出たとき、アリアも迷いなく後を追ったが彼の姿が見当たらない。
「……あれ、いない……?」
わずかに風が通り抜けた瞬間。
「……やっぱりな。見てたんだろ?最初から」
背後から低い声がかけられて心臓が跳ね上がる。
慌てて振り向いたアリアの前に、あの青年がいた。
そこには社交の場で見せていた柔らかな笑みはなく、ひどく冷めた目でアリアを見下ろしていた。
「俺のこと会場でずっと目をつけたもんな?盗みに来たのがバレたんだと思ったよ」
「……え?」
アリアの足が止まった。
予想外の言葉に、意味が理解できなかった。
「え?ぬ、ぬす……?」
「王宮の宝物だけじゃない。貴族から寄贈された展示品も今日の目玉だろ?どれも目が飛び出るくらいの宝飾品ばかりだ。俺はそれを失敬するつもりだったのさ」
そう言って、青年は上着の内側からそっと取り出した。
それはまさに展示されていたはずの深紅の宝石。
(え、え、え……?)
アリアは目を瞬いた。
(ちょっと待って、この人はただの泥棒……!?)
エレナを見ていたのではなく、そのそばにある展示品を盗むタイミングを見極めようとしていただけ。
その事実に、アリアの頭の中はぐるぐると混乱していた。