【香る物語】香りの檻
第一章: 現実と過去の狭間
穂乃香(ローズマリー)〜冷静と抑圧、心の境界線〜
*香りノート:ローズマリー*
心の曇りを澄んだ香りで静かに清め、現実を見つめ直す
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「えっ、嘘でしょう……?」
封筒を開いた瞬間、息が喉で止まった。漆黒のインクで印刷された辞令の文字が、目の奥に焼きつく。
ーー第一研究開発部 芳野律己主任秘書補佐。
どうやら私、森崎穂乃香・22歳は、よりにもよって一番避けたい部署に配属されてしまったのだ。
配属ガチャ、見事にハズレた……
あぁぁ、なんで私よ⁉︎
暑くもないのに、不快な汗がツーっと背中を伝う。周囲では、同じように封筒を開いた同期たちが、小さな声で歓声を上げている。けれど、私の耳には何も届かなかった。
まさか彼のーーお兄ちゃんの名を、こんな形で見るなんて。
入社式から2週間が経ち、株式会社芳香堂では、私を含む各新入社員に先ほど辞令通知書が渡された。
この2週間、みっちり研修を受けた私たち。オリエンテーションから始まり、会社見学や安全衛生研修、そしてこの会社でとても重要な香料の基礎講座やテスト。
心の曇りを澄んだ香りで静かに清め、現実を見つめ直す
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「えっ、嘘でしょう……?」
封筒を開いた瞬間、息が喉で止まった。漆黒のインクで印刷された辞令の文字が、目の奥に焼きつく。
ーー第一研究開発部 芳野律己主任秘書補佐。
どうやら私、森崎穂乃香・22歳は、よりにもよって一番避けたい部署に配属されてしまったのだ。
配属ガチャ、見事にハズレた……
あぁぁ、なんで私よ⁉︎
暑くもないのに、不快な汗がツーっと背中を伝う。周囲では、同じように封筒を開いた同期たちが、小さな声で歓声を上げている。けれど、私の耳には何も届かなかった。
まさか彼のーーお兄ちゃんの名を、こんな形で見るなんて。
入社式から2週間が経ち、株式会社芳香堂では、私を含む各新入社員に先ほど辞令通知書が渡された。
この2週間、みっちり研修を受けた私たち。オリエンテーションから始まり、会社見学や安全衛生研修、そしてこの会社でとても重要な香料の基礎講座やテスト。