【香る物語】香りの檻
幼い頃から、蘭と零司とは常に近い距離にいた。三人の家は徒歩5分圏内で、放課後になるとどちらからともなく集まり、空き地で理科実験の真似事をして遊んだ。

蘭は外向的で、度の過ぎた世話焼きの姉ポジション。零司はその真逆で、発想が先に走り、いつも予測不能だった。

俺はその間に入り、転がった試験管を拾い上げ、温度計の数値を読み、バランスを取った。

気づけば三人の関係は、自然に力が釣り合う三角形のように安定していた。友人というより、『変則的な兄弟ユニット』のような存在。

高校を卒業してからも、構造は変わらず続いていった。
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