【香る物語】香りの檻
机の上の指先がまだ震えている。
その震えを抱えたまま、今、私は淡いピンク色の内診台に横たわっている。色味は愛らしいのに、寝心地は最悪。両足を広げるように乗せるこの椅子は、可愛い色をした拷問台みたいだ。
身体の上半分と下半分を仕切るカーテン。その向こう側で何をされているのか見えないまま、下半身からわずかな違和感だけが伝わってくる。消毒液の匂いがツンと鼻を刺す。
恥ずかしさ、心配、恐怖。ぐちゃぐちゃな感情と速すぎる鼓動を抑えようと、深呼吸をするつもりで浅く息を吸い、長く止める。少しだけ吐いて、また浅く吸う。
いつのまにか、いつもの癖を繰り返していた。
昨日、もっと深く考えるべきだったと自分を叱りたくなる。
問診票の記入、尿検査、そして内診。一通りの検査を終え、診察室で説明を受けた。
目の前の女医さんはやさしい口調なのに、言葉だけはやけにはっきりしている。でも、その説明はまるで知らない言語のように聞こえた。
ーー唯一理解できたのは、今、妊娠6週後半だということ。
その震えを抱えたまま、今、私は淡いピンク色の内診台に横たわっている。色味は愛らしいのに、寝心地は最悪。両足を広げるように乗せるこの椅子は、可愛い色をした拷問台みたいだ。
身体の上半分と下半分を仕切るカーテン。その向こう側で何をされているのか見えないまま、下半身からわずかな違和感だけが伝わってくる。消毒液の匂いがツンと鼻を刺す。
恥ずかしさ、心配、恐怖。ぐちゃぐちゃな感情と速すぎる鼓動を抑えようと、深呼吸をするつもりで浅く息を吸い、長く止める。少しだけ吐いて、また浅く吸う。
いつのまにか、いつもの癖を繰り返していた。
昨日、もっと深く考えるべきだったと自分を叱りたくなる。
問診票の記入、尿検査、そして内診。一通りの検査を終え、診察室で説明を受けた。
目の前の女医さんはやさしい口調なのに、言葉だけはやけにはっきりしている。でも、その説明はまるで知らない言語のように聞こえた。
ーー唯一理解できたのは、今、妊娠6週後半だということ。