【香る物語】香りの檻
でも、できるだけ早く手術しないと。できれば両親が戻ってくる前に。確か初期の手術は11週終わりまでって書いてあったよね。もうすぐ7週目になってしまう。

誰に頼む?
やっぱり、月音に相談?
無理だよ、こればかりは言えない。
……もう誰にも頼めないよ。

じゃあ、お金を払えば、誰か代わりにやってくれる……?

絶望したように深くため息をつきながら、試しに携帯に文字を打ち込み、検索をする。

*病院付き添いサービス
*レンタル

まさかね、そんなサービスあるわけーー
えっ、あるじゃん!

思わず目を見開き、詰まっていた空気が一気に肺を満たす。まず、検索結果の一番上に表示されたページを開いてみた。

『フレンドリーサービス』という会社は、いわゆるレンタル家族・レンタル彼氏などのサービスを24時間提供しているようだ。その中に、病院付き添いサービスがある。

フォームに氏名と電話番号を記入すると、折り返し連絡が来て詳細を教えてくれるらしい。考えるより先に、指が動いていた。

送信ボタンをポチッ。携帯をベッドにそっと置く。立ち上がろうとしたそのときだった。

着信音が事務的に鳴り、ベッドの上の携帯が小さく振動する。氷のように冷たい青白い画面の光が、部屋の空気をさらに冷やした。

表示されたのは、見覚えのない電話番号。

もしかして、『フレンドリーサービス』?

えっ、はやっ……!

緊張でわずかに震える指を画面に滑らせ、電話に出る。

「も、もしもし……。はい、あの……」

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