ここが乙女ゲームの世界でも好きにさせてもらいます!
第一幕

乙女ゲームの世界



エレノアはカートライト侯爵家の長女としてこの世に生を受け、両親から――なにせ幼い頃の話なので、記憶は曖昧だがおそらく――愛されて育った。
しかし二年後に妹のレイラが生まれ、レイラが三歳になった頃、状況が一変する。

幼いながらも好奇心旺盛で活発なレイラが両親と街へ出掛けていた時、運悪く立て掛けてあった木材の下敷きとなり、左足に重い怪我を負ってしまった。もちろんすぐに名医と言われる医者に診てもらったが、十数年経った今でも足を引きずる後遺症が残っている。

レイラがこうなったのは、彼女から目を離してしまった自分たちのせいだと両親は己を責め、負い目もあってかレイラのことを甘やかした。そのせいで、当然ながらレイラは酷く我儘に育ってしまった。

一方のエレノアはといえば、カートライト家では空気のような存在になっていた。
一応認識はされているものの、存在感は希薄。いてもいなくても同じ、といった状態だった。使用人からは、まるでレイラ様がひとりっ子のようだと、エレノアは憐みの目を向けられていた。

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