ここが乙女ゲームの世界でも好きにさせてもらいます!
先日もこんなことがあった。
「お父様。今度のパーティーで身に着けるネックレスを買ってくださらない?」
午餐を終えると、いつもどおりレイラの我儘が始まった。
「ネックレスならつい先日買ったばかりだろう」
「いやよ、同じネックレスでパーティーに行ったら馬鹿にされてしまうわ」
そうは言っているが、レイラはすでにいくつもネックレスを所有している。エレノアが自分で買ったネックレスすら欲しいと駄々を捏ね、持っていったぐらいだ。
「だって、私はこんな足だから……格好が劣ったら、ほかのご令嬢に蔑まれるに決まっているもの……」
「私はこんな足だから……」というのが、我儘を通したい時のレイラの常套句。そして、はらりと朝露のような涙をひと粒こぼす。
足のことを持ち出されるとなにも言えなくなる父親は、こうなると毎回「わかった」と二つ返事だ。
要望が通ればこっちのものとばかりにレイラの涙は瞬時に消え、
「そうそう! この間着ていらしたお姉様のグリーンのドレス、私にくださらない?」
と、次はエレノアにも我儘が向けられた。