ここが乙女ゲームの世界でも好きにさせてもらいます!
「あれは……あのドレスは大事なものだから……」
レイラのいうグリーンのドレスというのは、祖母が生前エレノアを気の毒に思って、エレノアのために誂えてくれたものだ。
レイラにこのドレスだけは取られたくなくて普段は隠していたが、毎年ヴァレンティル国の最大のお祭りである『花祭り』の時だけは、レイラに見つからないようこっそりと着ていた。しかし今回不運にもレイラと鉢合わせ、ついに見つかってしまったのだ。
「お姉様があんな素敵なドレスを持っていたなんて知らなかったわ。あれに合うネックレスを買って、今度のパーティーで着ようと思うの」
「でも……」
「あのドレスはエレノアお姉様よりも私のほうが似合うと思わない? ドレスだって似合う人が着てくれたほうが嬉しいだろうし。お姉様だってそう思うでしょう?」
見た目が地味なエレノアと違い、レイラはたしかに人目を引くような愛らしい容姿をしている。
美しいホワイトブロンズの髪、そして翠玉を思わせる綺麗なグリーンの瞳は、ダークブロンズの髪とブルーがかったグレーの瞳のエレノアより、鮮やかなグリーンのドレスがよく似合うだろう。
――それでも。