軽部くんが、高根さんへの恋心を自覚する話
01

まさかの



「昨日の配信見た?」
「見た! ゲーム実況は?」
「あー! 俺見逃したわ。てか、コント動画漁りまくってたわ」


 午前8時過ぎ。朝のホームルームが始まるまで、あと15分。
 2年5組の教室の8割の生徒は登校している。教室のドアが閉まっていても、賑やかな話し声が廊下にまで聞こえている。

 そんな中、ガラッと扉が開くと話し声は一瞬ピタリと止まり、ドアの方に視線が集まった。


「……おはよ」


 気怠げに、首筋に手を当てて小さな声で言う軽部 慶太(かるべ けいた)
 先生が来たと思って話すのをやめていた生徒たちが、会話を再開させると再び教室は賑やかなムードに変わった。


「慶太、おはよ……って、お前どうしたんだよ、その顔!」


 ドアの近くで話していたクラスメイトが、ドン引きした顔で彼の顔を指差す。
 慶太の左頬は赤く腫れていた。
 それを指摘されると、明らかにムッとしてふてぶてしそうにする。


「ははーん。さてはフラれたな、この色男」


 キランと輝くメガネをくいっと持ち上げて、ニヤリと笑うもう1人のクラスメイト。
 彼の言葉に、慶太は鋭い視線を向けた。

< 1 / 2 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop