軽部くんが、高根さんへの恋心を自覚する話
「色男って……いつの時代の言い回しだよ」
「否定しない、ってことはマジでフラれたのかよ。お前、今度はどこの女の子をたぶらかしたんだぁ?」
によによと慶太の肩に腕を乗せるクラスメイト。彼の手を鬱陶しそうに払った。
「たぶらかしたって……俺はこの世にいる女の子みーんな大好きで可愛いなぁって思ってるんだよ。みんなを平等に愛したんだけど……彼女はそれを許してくれないらしい」
そう言って、赤く腫れた頬を指差した。
彼の行いが招いた結果である。
「うーわ……マジでサイテーなゴミクソ野郎。悪びれもせずに、堂々と浮気したことを……」
「何で慶太がモテるんだ……俺なんて彼女できたこともないのにっ」
「女子は、危ない男を好きになるみたいだぜ。不良とか、そういうの。まぁ、慶太の場合は頭が不良なんだけど」
「お前ら……言い過ぎだろ」
慶太が、じとっとした目でクラスメイト達を見て呆れたように言った。
「ていうか、その怪我に懲りたらしばらくは恋愛とか」
「うおっ! あの子、めっちゃ可愛い!」
「って、聞いてねぇのかよ!」
友人達から説教されるのも飽きた慶太。
彼がふと視線を窓際に向けた時、1人の女子生徒が目に入った。
高根 華である。
