魔王様!まさかアイツは吸血鬼?【恋人は魔王様‐X'mas Ver.‐】
あまりにも呆気に取られていたので、最後に猫の鳴き声を耳にしたような気がするけど、それすらも定かではなく。

私は。

考える間もなく、とても自然に後ろを向いて

「ねぇ、キョウ?
ジャックが、消えちゃったよ……」

と。

さっきまで何者かも分からなかった、美形魔王様の胸の中に顔を埋めて泣いていた。


自分が、どうして泣いているのかもよくわからない。

喪失感なのか。
淋しさなのか。

それとも。

ようやく、魔王様の恋人に戻れたという、嬉しさからなのか。

……いや、それはない。
  と、思うんだけど、多分。
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