「庭の千草」狂詩曲
「ええ、まあ……」

「第3手術室の患者さんは彼の?」

「父親です」

「ああ、なる程。こちらの彼には暫く詳細を伝えない方がいいかもです」

ユリウスたちには、医師の忠告が何を意味するのか解らなかった。

宗月の状態は詩月に伝えられないほど深刻なのか、不安は募るばかりだ。

「事故現場に駆けつけた救命の話だと、左後部座席は損傷が激しくて、運転手と助手席の男性がかすり傷程度だったのが信じられないと」

「ーーぶつかってきたのは?」

エィリッヒが恐る恐る訊ねた。

「80代の男性が運転する普通車。かなりスピードを出していたようで」

「運転手は?」

「酷く取り乱していて、警官が暴れる運転手を引きずって手錠を掛けて連行したようです」

医師は看護師に言伝てをし、モニターをセットさせた。

「何かあれば呼び出しブザーを押してください。それから、第3手術室はもう暫くかかるようです」
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