「庭の千草」狂詩曲
宗月と共に控え室に向かう。

互いに着替えを済ませ、ヴァイオリンの調弦をし、一緒に楽譜を再確認した。

明確に曲のイメージができる。

今までとは違う。

迷いが全くない。

澄み渡るように、頭の中がスッキリしている。

演奏を終えたコンテスタントが、控え室に戻ってくる。

やり遂げて満足気な顔、悔しそうな顔、泣き出しそうな顔、様々だ。

コンクールスタッフに声をかけられ、楽譜を閉じた。

「さあ、行こうか」

宗月がサッと立ち上がった。

「演奏を楽しもう」

宗月の顔も晴れ晴れとしていた。

先生に最高の演奏を届ける、腹は決まっている。

舞台袖に着くと、わたしの前のコンテスタントが心地よい音色で、曲を奏でている。

ファイナルに残った奏者だけあり、さすがに上手い。

でも、不安はなかった。

負ける気がしない。

気合いはじゅうぶんだ。
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