「庭の千草」狂詩曲
「身内はお婆さんしかいないと言っていたな」

「ええ。コンクールが終わったら、ちゃんと考えるわ。宗月、わたし頑張るわ」

「ああ。伴奏は任せておけ」

「ありがとう」

宗月の前だと気負わずに居られる。

虚勢を張らずに、素直で居られる。

宗月は真っ直ぐな瞳で、わたしを見ている。

宗月には何もかも見透かされている。

「ダフィット教授には、ユリウスとエィリッヒがついているからな」

宗月はそう付け加えた。

ファイナル、宗月と組んだ集大成が今日で終わる。

全力でここまでやってきた。

絶対に勝つ、思っていたより心穏やかだ。

宗月の伴奏、先生も観客席で見守ってくださっている。

勝てないはずがないじゃないか。

無敵の気分だ、何も恐くない。

今日のわたしは最強だ、頭の中で唱えた。

「クレア。大丈夫か? さあ、準備をしよう」
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