「庭の千草」狂詩曲
葬儀の後。

俺はクレアをマンションに連れ帰った。

1人にはしておけなかった。

クレアは食欲もないのに、目を離すとヴァイオリンを弾こうした。

数日、様子を観て指の診察を兼ね、クレアを病院に連れて行った。

俺はそこで思わぬことを聞かされた。

「おめでたですよ、12週です」

「えっ!?」

俺はクレアを抱いていない。

それどころか、キスさえしていなかった。

ーー教授の……

ストンと腑に落ちた。

今際の際での教授を思い出した。

「クレア……愛している」

言葉の意味を理解した。

「先生の子。宗月、先生とわたしの子。先生がわたしに遺してくれた命……」

クレアの瞳が輝いていた。

指の診察は、かなり厳しいものだった。

痛み止めの薬は処方されたものでは効かない状態で、関節は湿布薬を貼っても腫れが引かなかった。

ヴァイオリンを演奏できているのが不思議だとのことだった。
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