「庭の千草」狂詩曲
マルグリットのサロンで演奏のバイト、BALでの演奏、ビアンカとの動画配信。

ヴァイオリンコンクール後は、入賞の見返りにコンクール主催との1年間の演奏契約。

なのに何故、こうも気落ちしているのか。

たかが、周桜宗月が父親ではないと知ったくらいで。

7月第1周、週末。

安坂の希望通りの日程で、日本に帰る。

安坂とは空港チェックインカウンター前で待ち合わせた。

チケットを手渡し、チケット代を受け取り、チェックインカウンターで、搭乗手続きを行う。

詩月は医療診断書(MEDIF)、処方箋のコピー、心電図のコピー、心臓ペースメーカー等の説明カードなどを提示した。

「あの、こちらも。事前申請はしています、ポータブル医療酸素濃縮器と充電器」

安坂は詩月の後ろで目を白黒させていた。

「本当に心臓病なんだな」

呑気に言った。

「そちらは?」

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