「庭の千草」狂詩曲
「持ち込み可能ですね。機内で具合が悪くなられたら、速やかにスタッフに知らせてください」

「ありがとう」

安坂の搭乗手続きは詩月の搭乗手続きに比べると、あっさり終了した。

保安検査では手荷物でポータブル医療酸素濃縮器の持ち込みとペースメーカー装置している旨を伝え、手帳を提示した。

面倒極まりない。

出国審査を済ませ、搭乗口を確認し搭乗時間を待つ間。

詩月は安坂と話した。

「日本へは手続き関係だけか?」

「2年戻っていませんので、心臓の検査とペースメーカーのチェックも兼ねて」

「あー。それで片道チケットだったのか」

詩月はチケットを提示したのは数秒なのに、よく観ているなと思った。
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