「庭の千草」狂詩曲
必要な物と洗い物だけ出し、スーツケースは部屋の隅に置いた。

スーツはハンガーに掛けた。

洗濯機を回し、キッチンに行きポットで湯を沸かした。

機内では殆ど何も喉を通らなかった。

成田空港の売店で買ったサンドイッチをテーブルに置いた。

キッチンの棚から紅茶の缶を取り出し、カップを用意した。

ポットに紅茶葉を入れ、沸き上がったお湯を注いだ。

砂時計を逆さにし、3分待つ。

インド産のダージリンでセカンドフラッシュ(二番摘み)、オレンジ・ペコーはクレアのこだわり茶葉だ。

オレンジ色がポットいっぱいに広がっていった。

マスカットぶどうを口に含んだような香りと、さわやかな香り。やや渋みのある味が特徴だ。

空きっ腹に紅茶が染み渡る。

サンドイッチは食べなれない甘いマヨネーズの味で、おやつのようだった。

1人で過ごす家は、やけに閑散としている。

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