「庭の千草」狂詩曲
詩月はこんなにも静かだったかと思った。

紅茶を飲んだ後を片付け、家の中を観て回った。

クレアのヴァイオリン教室の扉を開けた。

詩月は滅多に入ったことがない。

ヴァイオリンは物心ついた頃には、弾いていた。

クレアのヴァイオリン教室を覗き見したり、クレアやクレアの教え子がヴァイオリンを弾いているのを観たりして、我流で弾き始めた。

「親子は弾き方が似てしまうから、あなたにはヴァイオリンを教えられない」

クレアからそう言われ、5歳からリリィのヴァイオリン教室に通うことになった。

クレアのヴァイオリン教室は無断で立ち入ってはならない場所のような気がし、足が向かなかった。

グランドピアノの前には、譜面台が数台と椅子が数台整然と置かれていた。

練習に貸し出し用のヴァイオリンは、サイズの違う分数ヴァイオリンも揃っていて、ショーケースに入れてある。

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