「庭の千草」狂詩曲
「詩月くんが宗月さんと一緒に居るのを、わたし数回しか見たことがないんだけど。でも親子なのに、あんなにも似ていないもの? 似ている所、全然ないと思わない?」

「見た目は似ていないように見えるけれど、詩月くんがピアノ演奏している時の様子は、宗月さんを彷彿とさせるわ」

「だって、それは詩月くんか宗月さんを必要以上に意識しているから。宗月さんの演奏を完コピするほど意識しているのよ」

小百合の声は上擦っていた。

「小百合、他所のお宅のことをあまり詮索するものではないわ」

「ママは少しも気にならない?」

「それはーー」

息子嫁は小百合に言われて、口ごもった。

「詩月くんのガダニーニのヴァイオリン、あれはクレアさんが弾いていたヴァイオリンらしいけれど、あんな凄いヴァイオリンを学生だったクレアさんは、どうやって手に入れたのかしら?」
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