「庭の千草」狂詩曲
この制度は、すべてのファイナリストに公平な環境を提供し、練習曲の漏洩を防ぐことを目的としている。

1次からファイナルまで、1ヶ月の長丁場。

詩月にはファイナル審査の演奏後、宗月が事故で重体の知らせを受け、長い拘束から解放されたことは、有り難かった。

例え、思わぬ事を聞かされたとしても会場以外の空気を吸えたことで、気分転換にはなった。

詩月は今は、そう思うことにした。

宗月が事故で入院したことはニュースになり、日本のメディアでも伝えられた。

だが、血液型の件は伝えられなかった。

詩月はユリウスか、クレアが宗月の緊急手術に関わった医療スタッフに、口外無用を強いたのだろうと思った。

詩月は周桜Jr.と呼ばれることを、執拗に嫌悪してきた。

だが、周桜宗月の息子ではない事実を知り、モヤモヤしていることに、戸惑っていた。

「周桜宗月は2人いらない。僕は第1の周桜詩月だ」

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