「庭の千草」狂詩曲
詩月は、ペースメーカーの点検は通常20分程度で終わると聞いていた。

壁時計をチラと観る。

点検と調整、再設定で1時間近くかかっている。

「詩月。まったく、君は我慢しすぎる。自分の病気を軽視しすぎる」

「岩舘先生、落ち着いて。終わりましたよ」

詩月は取り乱している理仁を初めて見た。

ーーよほど腹に据えかねているのだろうと思うと、ウィーンでの病院はかなり大雑把(おおざっぱ)な仕事をしていたに違いない

詩月は理仁に病院の紹介状を書いてもらい、ユリウスにも相談しようと思った。

「疲れた顔をしているーー点検、ずいぶん時間がかかったようだけど」

詩月が看護師に車椅子を押され、病室に戻ると、時任が病室の前を行ったりきたりしていた。

「……思っていた以上に大変だったよ。留学前に点検した時は15分以内に終わったんだけど」

「時任くん、何しているの? 早く酸素バルブを開いて」

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