「庭の千草」狂詩曲

chapter 2ーー焦らずに

「遥が『詩月さん、ゴメン』なんて言うから、詩月さんの周辺が一気に騒がしくなったんだ」

「うまく誤魔化したら良かってん」

「エントランスホールの動画でバッチリ顔バレしていて、誤魔化しが効くような状況とは思わなかったんだ」

「詩月さん、身体を張って取引したんだよ。炎天下で30分近くヴァイオリン演奏して」

「何ともなかったんやろか、熱中症になってへんよな」

XCEON のメンバーはワイドショー番組を観て、詩月の話をしている時、遥のスマホが着信音を鳴らした。

ーー遥、迷惑をかけた。事務所や職場にも連中が行っていないかと心配で、バルコニー演奏の取引をした

「詩月さん……熱中症、大丈夫だった?」

ーーああ、大丈夫。冷却シートをいっぱい貼って演奏した

「エッ!?」

ーー熱中症対策だ。もし、まだ連中がウロウロしているなら連絡して。取引違反だと抗議する
< 263 / 359 >

この作品をシェア

pagetop