「庭の千草」狂詩曲
「それだけではないわ。あなたがデビュー間もないアイドルグループXCEON とコラボするなんて思わなかった」

「君が言ったんだ。『アイドルがクラシックを演奏したら、クラシックの敷居が低くなるかもしれない』と。だから、胡散臭いプロデューサーの話を受け入れたんだ」

「ウソでしょ。あんな戯言(ざれごと)を真に受けて」

「正解だっただろ。XCEON のアルバムやDVDが常に売上ランキングの上位入りしているし、動画の再生回数もフォロワー数も伸びているだろ。それにXCEON と言えば、周桜詩月がパッと結びつく」

「それは……あなたが仕掛けたことでしょっ」

「僕はただ、面白そうだと思っただけだ。彼らが予想を遥かに越えて頑張ったんだ。あの遥が今、聖諒の音楽科に在籍しているくらいだ」

「人のことより、あなたは? 平然と何でもないふりをして、あなたの体は悲鳴をあげているじゃない」
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